深瀬和久は、事務機会社に勤めるしがないサラリーマン。今までの人生でも、取り立てて目立つこともなく、平凡を絵に描いたような男だ。趣味と呼べるようなことはそう多くはなく、敢えていうのであればコーヒーを飲むこと。そんな深瀬が、今、唯一落ち着ける場所がある。それは〈クローバー・コーヒー〉というコーヒー豆専門店だ。豆を売っている横で、実際にコーヒーを飲むことも出来る。深瀬は毎日のようにここに来ている。ある日、深瀬がいつも座る席に、見知らぬ女性が座っていた。彼女は、近所のパン屋で働く越智美穂子という女性だった。その後もしばしばここで会い、やがて二人は付き合うことになる。そろそろ関係を深めようと思っていた矢先、二人の関係に大きな亀裂が入ってしまう。美穂子に『深瀬和久は人殺しだ』という告発文が入った手紙が送りつけられたのだ。だれが、なんのために――。

深瀬はついに、自分の心に閉じ込めていた、ある出来事を美穂子に話し始める。全てを聞いた美穂子は、深瀬のもとを去ってしまう。そして同様の告発文が、ある出来事を共有していた大学時代のゼミ仲間にも送りつけられていたことが発覚する。”あの件”を誰かが蒸し返そうとしているのか。真相を探るべく、深瀬は動き出す。

湊佳苗

一九七三年生於廣島,武庫川女子大學畢業,是日本當前最受矚目的暢銷名家。身為家庭主婦的她利用早晚的空檔時間寫稿,並屢屢獲獎,曾入選二○○五年第二屆「BS-i新人劇本獎」佳作,二○○七年則榮獲第三十五屆「廣播連續劇大獎」,同年又以短篇小說〈神職者〉得到第二十九屆「小說推理新人獎」,而以〈神職者〉作為第一章的長篇小說《告白》更贏得了二○○九年第六屆「本屋大賞」,以及入選週刊文春二○○九年度十大推理小說,並被改編搬上大銀幕,由松隆子、岡田將生等人主演。除此之外,被譽為《告白》姊妹作的《贖罪》也在二○一二年被改編拍成電影,由名導演黑澤清執導,蒼井優、小泉今日子主演；《白雪公主殺人事件》則在二○一四年搬上大銀幕,由井上真央、綾野剛領銜主演。

出人意表的爭議情節,引人入勝的文字功力,以及闔上書之後仍令人反芻再三的懸疑餘韻和人性掙扎,是她的作品能夠博得讀者和評論家一致好評的最大魅力所在,甚至被日本讀書情報誌《達文西》封為「黑暗系小說女王」。

而除了描寫人性黑暗面為主的「黑湊」作品外,像《藍寶石》、《望鄉》、《花之鎖》等「白湊」作品則具有溫暖療癒的人情味,同樣備受好評。

另著有《少女》、《為了N》、《母性》、《山女日記》等書。